個人情報保護 法律

【法律】匿名加工情報を徹底解説!定義や現状での活用事例を紹介!

はじめに

プライバシーが重要視されていく社会の中で、企業が個人にまつわるデータの利活用を行っていくためには、国が定めた法律やその中で定められている概念を適切に理解する必要があります。

今回は個人情報保護法の中で定められている匿名加工情報に注目し、その定義や事業者に課せられる義務、現在の認知状況などを一つずつ整理していきます。

匿名加工情報の定義

匿名加工情報とは、個人情報を特定の個人を識別することができないように加工して得られる個人に関する情報であって、その情報を復元して特定の個人を再識別することができないようにしたものをいいます。

正確な匿名加工情報の定義は以下のように定められています。

次の各号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものをいう。 ①第1項第1号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。 ②第1項第2号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別番号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。

仮名加工情報と違って、「当該個人情報を復元することができないようにしたもの」という要件が課されているため、復元可能性がないことが匿名加工情報の特徴です。

 

匿名加工情報に関する事業者の義務

匿名加工情報を取り扱う事業者が主に守らなければならない義務は以下の4つです。

  • 適切な加工
  • 安全管理措置
  • 公表義務
  • 識別行為の禁止

適切な加工

匿名加工情報を作成する事業者は個人情報を適切に加工する必要があります。

匿名加工情報の定義にもあったように、「当該個人情報を復元できないように」することが必要です。

安全管理措置

匿名加工情報を作成する事業者は、以下の2つ安全管理措置を行う必要があります。

  1. 匿名加工情報の加工方法等情報の漏洩防止
  2. 匿名加工情報に関する苦情への処置・適切な取扱措置と公表

公表義務

以下のいずれかの場合には、事業者に公表義務が課されます。

  • 匿名加工情報を作成した時
    • 匿名加工情報を作成した事業者は、匿名加工情報の作成後遅滞なく、ホームページ等を利用し、当該匿名加工情報に含まれる個人に関する情報の項目を公表
  • 匿名加工情報を第三者に提供する時
    • 匿名加工情報を第三者に提供する時には、あらかじめホームページ等で第三者に提供する匿名加工情報に含まれる項目及び匿名加工情報の提供の方法を公表しなければなりません。

識別行為の禁止

匿名加工情報を取り扱う場合には、作成元となった個人情報の本人を識別する目的で以下の行為を行うことは禁止されています。

  • 自ら作成した匿名加工情報を、本人を識別するために他の情報と照合すること。
  • 受領した匿名加工情報の加工方法等情報を取得すること。また、受領した匿名加工情報を、本人を識別するために他の情報と照合すること。

匿名加工情報の活用事例

生命保険会社が収集したデータをもとに研究を行う事例

本事例では、生命保険会社が保険商品等を通じて収集した健診データ等を匿名加工し、外部研究機関に第三者提供することで共同研究を行っています。

生命保険会社は保険契約者が健診データの提出をアプリ等で行うと、その結果に応じた便益の提供(保険契約者の健康増進、また満足度向上に繋がる施策)を行っています。

 

(引用:https://www.ppc.go.jp/files/pdf/personal_date_cases2019.pdf)

不動産開発事業者によるポイントカードデータの利活用事例

本事例では、不動産開発事業者が地域限定で発行しているポイントカードの登録情報や利用履歴データを匿名加工し、研究機関に第三者提供しています。また、研究機関では、ポイントカードの匿名加工情報と、大手SNSにおける、ポイントカードが利用されているエリアに関する不特定多数の投稿データを組み合わせて、SNSを用いたキャンペーンによる販促効果の分析を行っています。

 

(引用:https://www.ppc.go.jp/files/pdf/personal_date_cases2019.pdf)

匿名加工情報を取り巻く現状

作成のハードルが高いことが大きなネックとなり、実際に匿名加工情報の精度を十分に活用している企業は多いと言えません。

また、一般消費者で、匿名加工情報のことを知っていて、かつ内容まで理解している人はわずか3%しか存在していなかった、というアンケート結果も存在しています。

このことから、匿名加工情報の活用はまだまだ発展途上にあると言っても良いでしょう。

個人データを利活用するための情報

匿名加工情報は、2015年に成立し、2017年に施行された、改正個人情報保護法の中で新たに導入されました。匿名加工情報の導入は、事業者間におけるデータ取引やデータ連携を含むパーソナルデータの利活用を促進することを目的としています。

こちらに似ているものとして、仮名加工情報が存在しています。こちらは、2020年の個人情報保護法一部改正法案の中で新たに導入されました。

匿名加工情報と仮名加工情報は、「データの利活用のため、個人情報を加工して得られる情報である」という点で共通しています。

しかし、それぞれの定義や、利用可能な範囲には違いが存在しています。

このような匿名加工情報と、仮名加工情報の違いに関しては以下の記事にて解説しています。

【比較】匿名加工情報と仮名加工情報の違いとは?

 

まとめ

匿名加工情報は、「特定の個人が識別できない」情報であるがゆえに、積極的に利活用することが可能となっています。

ただ、その作成の難しさなどがネックとなり、実際に利活用されているケースはまだまだ少ないです。

  • 匿名加工情報は、「特定の個人が識別できない」ように加工された情報である。
  • 匿名加工情報を作成したり、第三者提供したりする事業者には様々な義務が生じる。
  • 定義を満たすように情報を加工することが難しいこともあり、活用事例は多くない。
  • 匿名加工情報は、パーソナルデータの利活用推進のために施行された。

参考

メンバー募集

Acompanyでは、秘密計算の社会実装に向けてメンバーを絶賛募集中です!
優秀なメンバーが集まる環境で世の中に新しい価値を作る挑戦を僕らとしませんか?
以下の分野のメンバーを募集中です!

✅ ソフトウェアエンジニア
✅ マーケティング
✅ バックオフィス

興味がある方は、まずは軽くお話しするだけでも大丈夫ですので、ぜひご連絡ください!😎

話を聞きたい!

-個人情報保護, 法律
-, , , , , , ,

© 2021 秘密計算の国内最大ブログ | Acompany Co., Ltd. Powered by AFFINGER5