【法律】仮名加工情報とは

加工情報

はじめに

本記事では、2020年6月5日の参議院本会議で可決成立した個人情報保護法一部改正法案の中で新たに導入された概念である仮名加工情報について整理します。

個人情報保護法一部改正法案については、改正個人情報保護法の概要にて紹介しているので、そちらを御覧ください。

仮名加工情報の定義

仮名加工情報の定義は以下のように定められています。

 

次の各号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報をいう。

① 第1項1号に該当する個人情報

当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該一部の記述等を復元 することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。

② 第 1 項 2 号に該当する個人情報(個人識別符合が含まれるもの) 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号 を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えること を含む。)。

 

似た概念に匿名加工情報があります。匿名加工情報との違いは、当該個人情報を復元可能かどうかという点にあります。

匿名加工情報には、「当該個人情報を復元することができないようにしたもの」という要件が課されますが、仮名加工情報には、復元可能性が存在しても仮名加工情報になり得ます。

仮名加工情報の目的

仮名加工情報という概念が導入される目的は、個人情報の活用に柔軟性をもたせる点にあります。

個人情報である仮名加工情報は、個人情報として元々定めていた利用目的の範囲を超えて利用することができるとされています。

この点は規制緩和となります。

仮名加工情報の第三者提供

仮名加工情報は第三者提供が禁止されています。

しかし、仮名加工情報を委託先に提供することは許容されています。

委託先に仮名加工情報が提供された場合、委託先にとっては、個人情報とならない仮名加工情報になる場合も考えられ、本来は、個人情報ではない以上規制は受ける必要がないはずの情報に規制が課されることとなります。

この点は規制強化を考えられます。

また、個人情報でない仮名加工情報であっても第三者提供は禁止されます。

仮名加工情報で取り扱うメリット

前述のように仮名加工情報で取り扱うことにより、収集時に個人情報として元々定めていた利用目的以外で活用できる点は非常に魅力的です。しかし、この点以外にも企業が個人情報を仮名加工情報で取り扱うメリットがあります。

個人情報である仮名加工情報について、保有個人データについての本人の権利行使個人データの漏えいなどの報告の対象外となっています。権利行使や漏えい報告については、改正個人情報保護法の概要の記事でまとめていますので、読んでいない方は一読をおすすめします。

まとめ

個人情報保護法改正による新たな概念の仮名加工情報についてまとめました。

特に仮名加工情報は個人情報活用における規制緩和の側面が強く下記メリットを把握しおくことが重要です。

  • 利用目的以外で活用ができる
  • 保有個人データについての本人の権利行使の対象外
  • 個人データ漏えいなどの報告義務の対象外

今後ガイダンスにおいて詳細が伝えられると思われますので、要注目です。

参考

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