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人のふるまいを分析して意思決定?ピープル・アナリティクスとは?

はじめに

昨今のビジネス環境において、海外や異業種プレイヤーの参加、消費者の価値観の多様化などにより、不確実性や複雑性が高まっています。

そうした状況下で見直されているのが、「人(従業員)」の価値です。

その、人材に関わる意思決定をサポートする技術として、HR(ヒューマンリソース)テックの1つである「ピープル・アナリティクス」が注目されており、本稿では、これについて以下の5つのセクションで解説します。

  • ピープル・アナリティクスとは何か
  • 企業がピープル・アナリティクスに注目する背景
  • ピープル・アナリティクスの対象となるデータ
  • ピープル・アナリティクスの事例
  • プライバシーに関する懸念

ピープルアナリティクスとは何か

ピープル・アナリティクスは、人材に関わる課題を解決するHRテックの1つであり、人材や組織に関する企業の意思決定に、データを活用する技術・仕組みです。

ピープル・アナリティクスは従業員のあらゆるデータを活用して、企業のビジネス活動を促進します。

従業員の年齢や性別、専門性といった属性データのみならず、日常的なメッセージのやりとりやパソコンでの作業内容までもが分析対象のデータです。

そのため、人事領域のみならず、組織開発・業務改善など、ビジネス領域での課題解決に効果が期待されています。

ピープル・アナリティクスが企業に注目される背景

近年、海外企業や異業種からの競合の参入や、消費者の価値観・ニーズの多様化により、ビジネス環境の不確実性や複雑性が増しています。

この、いわゆるVUCA時代の到来を背景に、先進企業の経営層が見直しているのが「人」の価値です。

というのも、将来の予測がしにくく、現在うまくいっているビジネスモデルもすぐに陳腐化してしまう環境下で急激な変化に対応するためには、社内における柔軟な組織連携が重要だからです。

そして、その中心となるのは従業員であるので、「人」の価値が見直されているのです。

さらに、消費者のみならず従業員の就業に対する価値観も変化しています。

ミレニアル世代、Z世代の就業意識に関してデロイトが行ったアンケートでは、その半数以上が5年以内に退職すると答えています。

加えて、労働人口の減少で売り手市場となる労働市場の中でも、大きな価値を生み出すのは一握りの優秀な人材です。

そのため、企業にとっては単に人材を集めるのではなく、優秀な人材を見極めることが重要となります。

こうした大きな変化の中では、人の主観や経験則による判断ではなく、データに基づき従業員を定量的に評価し、その評価法を常に改善していく仕組みが必要です。

前置きが長くなりましたが、「人」に関わる課題を解決する技術を総称してHR(ヒューマンリソース)テックとよび、その1つが、本稿で紹介するピープル・アナリティクスです。

ピープル・アナリティクスの対象となるデータは?

先述の通り、ピープル・アナリティクスは、様々なデータを分析対象とします。

今までも、従業員にかかわるデータ分析自体は行われてきましたが、分析の主な対象であった人事データは、個人属性・スキル・評価などでした。

しかし、こうしたデータにおいて有意な分析結果を得るには、そのボリューム・更新頻度・多様性・構造の面で大きな課題を抱えています。

 

そのため、近年注目されているのが従業員の振る舞いデータです。

振る舞いデータは、そのボリュームや更新頻度の点で人事データよりもピープル・アナリティクスに適しています。

例えば以下のようなものを指します。

  • メール・チャットの、宛先・頻度・送受信の回数・開封から返信までの時間
  • 社内で誰と誰がどこで会話しているのか
  • パソコンでの作業内容・時間

オンラインでの振る舞いのみならず、物理的な空間でのコミュニケーションデータの取得も可能です。

これらの情報を分析することで、従業員同士や従業員と組織の関係を可視化できます。

例えば、ピープル・アナリティクスによって、「チーム間の情報連携の中心となっているのが、一人の中堅従業員である」といったように、組織内での立ち位置を客観的に理解できます。

大企業ほど、自社内の連携の実態を把握することは難しいですが、振る舞いデータに着目することで、そうした施策のための新たな視点を得ることができます。

ピープル・アナリティクスの事例

Googleは従業員の採用・育成・定着のための基盤としてピープル・アナリティクスを活用しています。

Googleは、書いたコードの行数や修正したバグの数、顧客満足度などの、定量的な指標と、チームのマネージャー・リーダー・メンバーによるチームの評価などの、定性的な指標を組み合わせて分析を行いました。

この分析から、「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」ということが最も重要であることを突き止めました。

そして、Googleのピープル・アナリティクスチームは、チームがうまく協力するには、「心理的安全性(サイコロジカル・セイフティー)」が重要であり、チームの生産性を高めると考えています。

 

日立製作所は、内定者の人材比率に偏りがあるという課題を抱えていました。

そこで、筑波大学の学術指導のもとに独自開発した、心理尺度構成を用いた調査を実施し、社員や応募者のデータを定量的に分析し、さらに社内のハイパフォーマーへのインタビューなどからの定性的なデータを加味することで、人材ポートフォリオを再設計しました。

また、ウェアラブルセンサーで従業員の行動データを測定し、幸福度を測る取り組みも行っています。

プライバシーに関する懸念

ピープル・アナリティクスの課題の一つとして、従業員のプライバシーへの配慮が挙げられます。部署間連携の把握などが目的であれば、個人単位のデータを収集する必要はありませんが、組織のハブ役の特定や、従業員幸福度の把握を目的とする場合は、従業員単位の詳細なデータが求められます。

一般の消費者を対象としたプライバシー保護法は、GDPRやCCPAなど、整備が進んでいますが、従業員のプライバシーに関する法律は整備途上です。

企業の成長のためには従業員に関するデータの収集は必要であるので、データポリシーやガイドラインの整備が必要であるといえるでしょう。

まとめ

  • VUCA時代を背景に、従業員の価値が見直されている
  • 従業員に関するデータ分析「ピープル・アナリティクス」が注目されている
  • ピープル・アナリティクスは人材・組織開発に活用できる
  • ピープル・アナリティクスには従業員の業務における「振る舞いデータ」が適している
  • 消費者のプライバシーと異なり、従業員のプライバシー保護は整備途上

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