はじめに
近年、IoT化が進み、多くの情報が生み出されるようになりました。情報が増加していく一方で、それらの情報が第三者によって盗まれたり、改ざんされてしまったりする、事件が多発しています。
そんな中、情報を守るための、セキュリティの手段として、秘密計算とブロックチェーンという2つの技術が注目されています。
本記事では、その両者の違いをわかりやすく解説します。
秘密計算とは
概念
秘密計算とは、暗号化したまま、計算を実行する技術のことです。
通常、データ分析を実行する際、暗号化していない状態のデータ(生データ)に対し、統計や機械学習などの目的に応じた分析アルゴリズムを用意し、分析を行なっていました。そのため、分析を実行する際のデータが漏洩や、不正利用のリスクが存在していました。
また、データを保存する際に暗号化をするなどの対策を施していたとしても、データ分析時には生データに復号してしまうため、リスクを回避することが難しい状態でした。
一方、秘密計算は、生データではなく、秘匿化されたデータ、つまり、データを無意味化した状態で従来と同様に分析アルゴリズムを用いた分析を実行可能です。さらに、この分析によって得られる分析結果は生データの分析結果を同レベルの水準となっています。
そのため、秘密計算技術を用いると、データ分析実行時であっても秘匿化状態でデータを扱えるため、高いセキュリティ水準を保つことが可能となります。
ユースケース
秘密計算のユースケースとして、三谷産業とAcompanyによる、プライバシー保護の重要性の高い医療データを用いたプライバシー保護統合分析を実施した事例があります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000046917.html
ブロックチェーンとは
概念
ブロックチェーンとは、仮想通貨などの取引データを複数人で管理する技術のことです。
これまでのシステムには、システムの中央となる管理者が存在していました。
例えば、ある銀行において、Aという口座からBという口座へ10万円の振り込み取引を行なったとします。この時、Aという口座からBという口座へ振り込み取引が行われたというデータはその銀行によって管理されます。そのため、Aという口座からBという口座に10万円が振り込まれたという事実を確認することができ、これが間違いでないことも明らかとなります。これが、中央となる管理者によるシステムの管理です。
一方、ブロックチェーンは、こうした中央管理者を必要としません。ブロックチェーンでは、その参加者が取引を行なった時、他の多数の参加者がその取引に関する記録を保持し続けます。こうして、一度生み出された情報が残り続けることによって、その取引の記録が証拠として残り続けるのです。このシステムは不正は改ざんを許さずに、取引の履歴を記録し続ける特性は、金融などの高い信用度が求められる分野で利用されています。
ユースケース
不動産賃貸領域の事業を手がける企業により、不動産デジタルプラットフォームの構築する際、契約の自動化を実現するためにブロックチェーン技術を活用した事例があります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000021066.html
両者の違い
秘密計算とブロックチェーンの大きな違いとして、セキュリティとして保護する対象が異なることが挙げられます。
まず、秘密計算は、データを暗号化したまま計算することにより、データが公開されてしまったり、第三者に漏洩してしまったりすることを防ぎます。
一方、ブロックチェーンは、一度生み出された情報が残り続けることによって、その取引の記録が証拠となり、データの改ざんを防ぐことができます。
このように、保護する対象が異なることが、両者の技術の大きな違いです。

まとめ
秘密計算とブロックチェーンの違いを簡単に解説しました。
- 秘密計算とは、暗号化したまま、計算を実行する技術のことである。
- ブロックチェーンとは、仮想通貨などの取引データを複数人で管理する技術である。
- 秘密計算は、データのプライバシーを保護する。
- ブロックチェーンは、データの改ざんを防ぐ。