本記事では、最近世界各国の企業が参加を発表している、MPC Allianceに関してわかりやすく解説します。
はじめに
近年、サイバー攻撃などの脅威が高まるにつれて、様々なセキュリティ技術が注目されています。
そんな注目されているセキュリティ技術の中に、MPC(Multi-party computation)というものが存在しています。
MPCは、複数のユーザが手持ちの情報を秘密にしたまま共同で計算を行う手法です。
MPCに関する詳細は、以下の記事にて紹介しています。ぜひ御覧ください。
このMPCという技術に注目している企業達によって「MPC Alliance」は設立されました。
MPC Allianceとは?
MPC Allianceは、MPCの実装を通じて、人々のパーソナルデータおよびビジネスデータのプライバシーとセキュリティを向上させる目的で、2019年11月に設立された団体です。
MPC Allianceに参加している企業は、現在および新興のオンライン市場の多くがMPCの恩恵を受けるという信念を共有しており、アライアンスとして協力することで、認知度の向上、障壁の緩和、オンラインサービスのプライバシーとセキュリティの向上のための採用の促進に貢献することができると考えています。
公式HPにはwiki形式でMPCの解説が掲載されています。
このように、MPCという技術そのものの認知度の向上や、参入障壁の緩和のための取り組みを行っている様子がうかがえます。
MPC Allianceに加盟している企業

(https://www.mpcalliance.org/より抜粋)
最近、Slack社の買収に関するニュースで注目されているselesforceを始め、世界中の様々な企業がMPC Allianceに参加しています。
日本からは、仮想通貨交換所など事業者向けにウォレット管理システムを提供するフレセッツや、NTTが参加しています。
MPCが活用されている領域
幅広い応用の可能性を秘めているMPCは、特に、暗号鍵管理とプライバシー保護の計算という2つの非常に重要なカテゴリーに関心が集まっています。
MPCを用いた暗号鍵管理に関しては以下の記事で解説しています。
先述した企業も、このどちらかの分野においてMPCを活用しているケースが非常に多くなっています。
なお、MPCの活用に関する詳細は以下の記事にて紹介しています。
まとめ
セキュリティへの関心の高まりや、ニーズの増加から、MPCという技術は世界中で注目されています。そんな中、MPCという技術に注目している企業が増えてきています。
株式会社Acompanyもこの技術に注目し、プライバシー保護データ分析を実現する秘密計算エンジンの開発を行っています。
- MPC Allianceとは、MPCの実装を通じて、人々のパーソナルデータおよびビジネスデータのプライバシーとセキュリティを向上させるための団体である。
- MPC Allianceには、イスラエルや中国をはじめ、世界各国の企業が加盟している。
- MPCは暗号鍵管理や、プライバシー保護の計算の領域で活用されている。
参考
https://crypto.watch.impress.co.jp/docs/news/1230660.html